愛のタリオ

Introduction

  • 「真珠夫人」「牡丹と薔薇」そして「天国の恋」。猛烈なスピード感あるストーリー展開と、ドロドロとした他人の不幸を描きながらも「ありえない不幸」といった、後を引きずらない陰湿感が主婦からの絶大なる人気を博す東海テレビ制作の昼ドラマ。そんな昼ドラテイストを兼ね備え、よりエロティックに、より残酷な愛憎を描いたのが『愛のタリオ』だ。 田舎町に突然現れた、都会的で洗練された大学教授ハッキュと彼に憧れる純朴な少女ドク。処女を捧げた美しき純愛に裏切りが訪れた時、少女は憎悪によって女へと羽化して行く-物語は、教師と生徒の禁断の愛に始まり、不倫、裏切り、欲望、嘘そして死が絡み合い、予想だにしない展開へと進んでいく。盲目の父親の目を治すため海に飛び込み犠牲となる娘を描き、孝行と美徳と称される韓国民話「沈清伝(シムチョンジョン)」を『愛のタリオ』では赤裸々な人間の愛と欲望の童話として生まれ変わらせた。『危険な情事』『オールド・ボーイ』をも超える、エロティシズムと執着と狂気が、終わらない復讐の連鎖を生み出し、観客の心を欲望の渦に引きずり込む。

  • 『南極日誌』では人類未踏の地へ初の快挙を成し遂げようとする、エゴイズムによって破滅する男たちを描き、『ヘンゼルとグレーテル』では大人の歪んだ欲望が純粋な子供を怪物にしてしまう物語を描いたイム・ピルソン監督。常に人間の根底に潜む欲望をテーマに描き続けるイム監督は本作でも、嫉妬によって人生を狂わせ破滅していく男女の機微を見事に表現している。そして、主演は『私の頭の中の消しゴム』で日本中を涙で包んだチョン・ウソン。二十歳の処女を愛し、冷酷に捨てることで彼女の人生を破壊する男ハッキュを熱演。成功、金、女―自らの欲望を追いかけたことで「罪と罰」 を負い破滅していく、今までにないキャラクターを構築した。純粋な少女から危険な女へと豹変するドクを演じたのは、モデル出身のイ・ソム。美しい裸体を顕に激しい濡れ場にも挑戦。純粋な少女と復讐の鬼と化す悪女を見事に演じきった。また、物語を更なる波乱に導くハッキュの娘チョンを『レッド・ファミリー』のパク・ソヨンが演じ、父親を憎しみながらも、ドクに嫉妬心を抱く少女と女の二面性を持った難しい役どころを表現した。 ハッキュとドクの執拗な欲望と執念に巻き込まれる娘チョン。危険な三角関係は、終わりなき復讐の嵐に飲み込まれ、衝撃のラストへと向かっていく―

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